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かぎしっぽの会

かぎしっぽの会について

皆さん、こんにちは。
私たちは「かぎしっぽの会」という野良猫問題を何とかしようと集まったボランティアグループです。

かぎしっぽって知ってますか?
猫のしっぽが途中で折れ曲がっていたり、短く丸まっているのを「かぎしっぽ」といって、そのしっぽに幸運をひっかけてきてくれると言われます。 私たちも野良猫の色々な問題に取り組むことで、人にも猫にも暮らしやすい地域づくりを目指そうと活動しています。

さて、野良猫問題と言いましたが、どんな問題があるでしょう?
数がどんどん増えて、生ごみを荒らす、臭いうんちやおしっこをせっかく手入れした庭にしていく、ペットの金魚や小鳥にいたずらする、ワォワォとうるさい等々、色々あります。
野良猫たちを可哀そうに思って餌をやる人もありますが、置きっぱなしのエサは猫だけでなくカラスや他の動物も食べに来て、散らかって汚くなってしまって、それで余計猫嫌いの人たちを怒らせ「餌をやるけえ猫が増えるんじゃ!」vs「情なし!」と人間同士のいがみ合い、ご近所トラブルの種になったりもします。 怒りが爆発して、猫に毒餌を食べさせたり、薬品や熱湯をかけたりというひどいことをする人もいるんですよ。

そして、殺処分って知ってますか?
不要な動物を殺害することで、保健所に連れて行ってガスで安楽死させます。

山口県では2015年には約3000匹、それからかなり減りはしましたが、それでも2019年時点でなお424匹の猫が殺処分されています。
つまり、毎日1匹以上の猫が私たちの税金を使って殺されています。
殺処分の約7割かまだお乳を飲んでる赤ちゃん猫なんですよ。
何も悪いことをしていない命が、ただ生きているというだけで殺されているんです。

さて皆さん、この現実、猫が悪いんでしょうか?

猫は悪者ですか?

私たちは、本当の問題は人間の方にあると思います。
そもそも私たちの身の回りにいる猫は野良でもイエネコ。野生動物ではありません。
元々、ネズミを退治してもらうために、人間が猫のご先祖様を手なずけて人間と一緒に暮らすように仕向けたんです。だから野良猫も野生ではありません。

みんなルーツは捨て猫、人間が捨てたんです。人間が野良猫を作ったんです。
そして、猫は繁殖力がすごい。

メス猫は、産まれて半年もすると赤ちゃんが産めるようになります。
1年に2~3回発情し、交尾するとほぼ100%妊娠し、1度に5~6匹産みます。
愛情があるから子供を作るのではありません。
生き物としての本能で発情期を迎えて、交尾して、増えていく。
餌をやるから猫が増えるのではありません。

命を次の代につなぐ、それは生き物の本能です。
本能はどうしようもないことです、私たちがおなかがすくのと一緒。
野良猫は一生懸命生き、命をつないでいるだけなんです。
家無し、餌なしの野良猫の暮らしは一見気ままそうに見えますが、実は過酷です。飼い猫の寿命が15年と言われる今、野良猫は3年、よくて5年くらいしか生きられないのが現実です。

さてさて、ではどうしたらいいでしょう?
本能のままに生きる野良猫、迷惑している人、可哀そうに思って手を差し伸べる人、みんなが納得できる方法はないものでしょうか?そこで、かぎしっぽの会ではTNR活動を進めようと考えました。

【TNRって何でしょう?】
「捕まえて 不妊・去勢手術をして 元の場所に返す」というやり方です。

まず最初は、T「捕まえる」
餌で誘って捕獲器などを使ってケガをしないよう安全に保護します。

そしてN「不妊手術」
獣医さんにお願いします。
手術をすればもう赤ちゃんは増えません。発情期の鳴き声がなくなります。
オス猫も手術をすれば発情自体なくなります。
イガイガした匂いのおしっこをまき散らすことや、メスをめぐってのケンカがなくなりケガや病気のリスクが減ります。
メスはもちろん、子育ての苦労や度重なる妊娠出産での体力の消耗が防げます。

手術をしたら耳の先っぽを桜の形にカットします。
さくら耳は一代限りの命を生きる猫の印。野良猫からさくら猫に変わるのです。

最後にR「元に戻す」
生まれながらの野良猫は簡単に人に慣れていません。
それまで暮らしていた場所で、餌やトイレの世話をし一代限りの人生?猫生?を生きてもらいます。
家族に迎えたいという人がいたら、もちろん一生涯のお世話を託します。
TNRって、例えていえば、水がジャアジャアあふれているお風呂があるならば、元になっている出しっぱなしの水道をまず閉めようという考え方です。元を絶たなきゃだめ。
TNRをすることで、自然のままだと3年で2000匹になる猫が、2匹のままでストップできます。
何年か続けるうち猫たちは寿命を迎えます。
産まれる命がなければ野良猫は自然に減っていくという方法です。
TNRは世界的にも広まっていて、日本でも東京の千代田区では8年にわたる活動で野良猫がほぼゼロになりました。

かぎしっぽの会では、
猫を捕まえるための捕獲器の貸し出し、捕まえて病院に連れて行くお手伝いをしています。
また、まだ山口ではあまり知られていないTNRというやり方を知ってもらうためチラシの作成・配布、地域情報紙に広告を掲載し、認知度を上げるために日々努力をしています。県内外の愛護団体と協力を行いながら啓発イベントなどを開催し、大勢の人へアピールもしております。

猫を嫌いな人にとっても好きな人にとっても、かぎしっぽの会では今の段階ではTNRはより良い解決方法だと考えています。もちろん、猫が大好きな人から「自然のままがいい、捕まえて手術するなんてひどい!」というお言葉をいただくことがあり、猫が大嫌いな人から「そんなのパパっと殺処分すればいい」とお言葉をいただくことがあります。

でも、自然にしてきたおかげでどれだけ多くの命が人間の手によって殺処分されたことでしょうか?殺処分はして当然な事なのでしょうか?
罪もない猫が一生懸命生きているだけなのに不幸になってしまうなんて、見て見ぬふりはできません。
ベストな方法ではないかもしれないけれど、あっという間に解決とはならないけれど、気がついてしまった以上一歩を踏み出す。
これがかぎしっぽの会にとってのTNR活動です。

2017年にかぎしっぽの会は発足しました。十分な事はできてはいませんが、あきらめずに続けて行こうと思っています。実際、活動にはお金がかかります。特に手術代はオスは15000円以上、メスは20000円以上。一人だけでずっとやっていくには限界があります。
でも、気がついた人が見て見ぬふりをせずに少しずつでも助け合えば、きっと状況は良くなるはずです。

「どうせダメだから」とあきらめずに、無視せずに、なにか行動を起こしてほしい。あなたにできる形で、小さい命の事を考えてほしいと思います。 そうすることで、きっと人も猫も暮らしやすい世の中にできるんじゃないかなと夢見ています。
よければ、あなたも手を差し伸べてください。よろしくお願いします。